山陰の旅とマラソン

なかうみマラソンに参加した。
島根県安来市で行われたマラソン(ハーフ)大会だ。
どじょうすくいの安来節で有名なあの安来だ。
といっても安来市ってどこや?というくらい馴染みのない場所だ。
めっちゃ、ど田舎とちゃうのん?

だいたい山陰というところにはめったに行かないし、馴染みがない。
米子市のすぐ西に位置するのが安来市だ。
山陰本線で一駅だ 。
私は恥ずかしながら米子市が鳥取県にあるのか島根県にあるのかすら区別がつかなかった。
うちのカミさんも同じだ。
ならばこの際、山陰を巡ろやないか。
玉造温泉や皆生温泉もあることだし、それと60年に一度の平成の大遷宮となった出雲大社にまで足を延ばそやないか、ちゅうことで縁結びの神様に良縁を授かったことを感謝をしに行ってこましたろ、ということになった。

山陰本線は、列車の扉は自動では開閉しない。
乗り降りは自分の手で開かなければ扉は開かない。
う〜む、ええぞ、ええぞ。
無人駅もそこかしこにあるし、ローカルの味を出しとるやんけ。
こんなところではアベノミクスもクソもない。
浮かれているのは東京だけだ。
少しも目立たず浮かれていない山陰に妙に親近感を持ったことであるよ。

出雲大社は60年に一度の式年遷宮の年なので賑わっていた。
婚期を逸しそうな女の子が神頼みに来ている。
藁にもすがる思いなのだろう、縁結びのお守りがよく売れていた。
ここでは出雲そばが旨かった。
それとぜんざい。
ぜんざいは“神在(じんざい)餅”に由来するらしい。
旧暦の10月に全国から神様が集まり、“神在祭(かみありさい)”に振る舞われたことから“じんざい”が“ぜんざい”に訛ったらしい。

私は出雲大社を訪れる前に列車のなかで電子書籍の「古事記」を読んで予習をした。
夢中になった。
古事記はおもろい。
日本の神様は乱暴者や間抜けやお人好しばかりで、まるで童話の世界だ。
出雲大社は因幡の白兎を助けた心優しい大国主命(オオクニヌシノミコト)を祀る神社だ。

大国主命は乱暴者の須佐之男命(スサノオノミコト)の7代目の孫にあたる。
須佐之男命のお姉さんが天照大神(アマテラスオオミカミ)だ。
初めて知ったよ。
古事記を読んだ後、ここを訪れると、出雲は味わい深い。

他に訪れたのが足立美術館。
ここは10年連続日本一を誇る庭園で有名だ。
ここの日本庭園は素晴らしい。
庭園の手入れの様子をビデオで見せてくれた。
庭の手入れがとてもきめ細かく手間ひまがかかっており、庭師さんの仕事に関心した。
税理士より庭師さんになっておけば良かったと思ったよ。

ところで、マラソンの方だが、気温はまずまずだったが、本降りの雨にたたられた。
小さな町に5千人以上のランナーが集まってスタート会場は混雑したが、マラソンコースは起伏はあるものの走りやすいコースだった。
宍道湖の隣にある中海の周囲を走るコースだ。

出雲大社でパワーをもらって雨の中をひた走った。
上り坂で歩いてしまったが、タイムはぎりぎり2時間を切った。
フルマラソンもこのペースで走れば、サブフォーじゃん。
やればできそうじゃん。
あきらめることないじゃん。
死ぬまでにはサブフォーを達成してこましたろ。
サブフォーを達成して心置きなく死んでいこう、マラソン大会の後はいつもこう思う。