敬老パス

「敬老パス」でタダ乗りを楽しんでいる。
ふだんは乗らない市バスにも乗った。
運転手さんに生まれて初めて「敬老パス」を見せた。
「あなた、本当に65歳以上?」と言われないかしらとドキドキしていたが「はい、どうぞ」とあっけなく終わった。
誰から見ても俺はもう老人なのか……。
しかし、寂しいというよりタダで乗れたことで、思わず笑いが込み上げた。
その後バスに乗ってくる乗客を逐一見ていると、みな「敬老パス」を提示してタダで乗ってくる者ばかりではないか。
大丈夫か?名古屋市の財政は。

……とは言うもののタダ乗りは愉快だ。
これから乗って乗って乗りまくって、モトを取ったろと決意を新たにした。

「敬老パス」はふだんはカード入れから出すのではなく、敬老手帳と一緒に首からストラップでつり下げて必要なときに提示するというスタイルが一般的ということが分かった。
カード入れから出すのは何枚ものカードのなかから探すのは見つけにくいし、見つかってもそこから取り出すのに手間取るからだ。

また、バスを降りるときはバスが止まってから席を立たなければあかんのだ。
それでなければ運転手さんから怒られる。
バスのなかでの転倒防止のためだ。
バス停で停まったままでいると「あれ、どうして発車しないのだろう?」と思っていると、しばらくしてヨタヨタと老人が席を立って降りて出て行くのだ。
う〜む、老人社会には老人社会のペースがある。
こういうペースに慣れなければいけない。
ということですっかり老人の気分になってしまった。