税務に精通するには

私はときどき宅建協会など税務セミナーの講師を務めるさせていただくことがある。
不動産については税金のことが分かっていないと仕事にならない、ということで、皆さん熱心に聞いてくださるのだが、正直言って何度聞いても税金のことは分からないのではないかと思う。
税法は「一読して難解、二読して誤解、三読して不可解」とよく言われる。
読めば読むほど分からない。
エラソーに講師として話をしている私も分かっていないことがある。

言っておくが、税金のことは税法を読んだら絶対に分からない(私が読んでもチンプンカンプンなのだ)。
かといって、インターネットからゴミのような情報を得ても、もっと混乱する。
参考書を読んでも他のセミナーに参加しても分からない。

どうしたら分かるか。
それは税務申告書を実際に書いてみることだ。
それも手書きで……。
これが税金のことを理解する早道である。
体にしみ込むように分かるようになる。
それより、もっと早道なのは税務調査に立ち会うことだ。
税務調査に立ち会って、調査官と丁々発止やりあうことだ。

しかし、申告書を書くことも税務調査に立ち会うことも税理士の資格がなければやることはできない。
それどころか税務相談ですら、有償であれ無償であれ、資格がなければしてはいけないのだ。
ってことは税理士以外では税務に精通することは永遠に不可能ってことなのだ。
国が税理士の職域を保証してくれとるわけだ。これでワシらはぬくぬくと暮らしていけるのだ(むはははは)。

しかし、ぬくぬくと暮らしている税理士はいない。
それどころか、コロコロ変わる税制に翻弄され、ついていくのが精一杯だ。日々勉強していないと通用しないのが税理士だ。
てなわけで来年もまた勉強して税制改正セミナーをやります。
詳細は後日連絡します。