消費税という税は逆進性という致命的欠陥を持っている。
所得の低い人たちや年金生活者にとって消費税の増税は生活を直撃する。
それでも国民の半数以上が消費税増税やむなしとの意見だったのは、その増税分が社会保障の充実に充てられると思い込まされたからだ。
ところがどっこい、「消費税増税という痛みを分かち合うのだから、その前に社会保障費を削減すべきだ」という方向に話がすり替えられている。
いったい、どないなっとんねん!
これではますます老後の生活が不安になり、萎縮して金を使わなくなる。
なんのことはないデフレからの脱出はできないことになるわけだ。
片方でインフレ目標を掲げておきながら、やっておることがちぐはぐだ。
いったい、なにさらしてけつかんねん!(これって河内弁?)
数年前、民主党政権のとき消費税増税にあわせて「給付付き税額控除」という制度が提唱された。
低所得者に現金を給付する「マイナスの所得税」のことだ。
今では「給付付き税額控除」が話題になることもなくなったが、それにかわり「ベーシックインカム」という考え方が注目されるようになって来た。
「ベーシックインカム」とは、赤ん坊から年寄りまで生きている限り、貧乏人にも金持ちにも一律、無条件に国が一人一人に最低生活費として現金をばらまく考え方だ。
その金は自由に使ってよい金だ。
パチンコで散財しようが、酒を飲んだくれようが誰からも文句を言われる筋合いはない。
生活保護費のように恥を忍んで貰いに行くこともない。
一律にばらまくのだから役人が介入する余地もない。
「世の中、怠け者だらけになるじゃないか」と怒り出す人もいるだろう。
しかし、食うために魂を売り渡して嫌な仕事に就いていることはない。
失業の恐怖から我慢に我慢を重ねて疲れ果て、いったい何のための人生だったのかという者もいるのだ。
「働かざるもの食うべからず」という圧迫から人類が初めて解放される。
「食うために働く」から「働くために食う」への転換だ。
例えば1人月額8万円(夫婦、子供2人なら月32万円)とすると122兆円必要になるが、生活保護費や年金を支払う必要がなくなるので差し引き58兆円ほど国民負担が増える。
国民負担率では39%から57%程度になる(ドイツ、フランス並みの負担率だ)。
決して夢物語の数字ではない。
毎月1人8万円貰ったら君ならどうする?
それでも働きたいだろ?
働かなくてもよいと言われれば、逆に仕事をしたくてうずうずしてくるはずだ。
それも意義ある仕事を。