ひょっとしたら私は読字障害(ディスレクシア)という病気ではないかと思うことがある。
読字障害というのは識字障害、難読症とも言う。
字を読んでも理解できないとか、字が絵に見えてしまうとか読み書きに苦労する病気だ。
欧米では10人に1人の割合である病気らし い。
日本では20人に1人ぐらいの割合ではないかと言われている。
左脳の働きに問題があるのだ。
有名な人物ではピカソやフォード、ディズニーらが読字障害だったらしい。
いま、あるお客さんの相続税の件で、国税不服審判所に審査請求をしている。そうすると税務署との間で答弁書や回答書など退屈な文書のやり取りをすることになるのだが、その税務署が出してくる文書が読めないのだ。何が書いてあるのかさっぱり分からん。
それでも無理して読むと数ページ読んだところで吐き気がしてくる。
いったいこの文書を書いた担当者の頭の中はどないなっとんねん!
一言で終わることなの に、わけの分からない文章をダラダラと書きやがって!
こんな駄文を読まされる身になってみろ!
馬鹿馬鹿しくて付き合ってられるか!
不服申立などしなけりゃよかったと後悔する。
私が最初に国税不服審判所に審査請求を出したのは今から30年前だ。
そのとき審査請求書に添付した理由書はA4一枚の紙に箇条書きとともに◎や×、♡、△、→など図解して書いて出してやった。
自分では簡潔でとても分かりやすい文書だと自負していたのだが、国税不 服審判所の担当官はアホだったので「こんな理由書は受け付けられない」と怒りだしてしまっ た。
彼らにとってはダラダラとわけの分からない文章で書き連ねた理由書の方が馴染んでいるので楽なのだろう。
その時からこいつらとは付き合いきれないと思ったものだが、それは今でも変わらない。
読字障害の症状は小説などを読んでいるときは出ないのだが、請求書や督促状を見たときは発作的に起こる。
突発性読字障害だ。
また、税法の法令集を読むときにも読字障害の症状が出る。
「それでよく税理士の仕事が勤まりますねぇ」と言われそうだが「経験」と「勘」 と「度胸」で乗り切るのだ。
私は30年間、資産税の分野で仕事を続けてきたが大きな間違いもせずやって来れたのは「経験」と「勘」と「度胸」を働かせてやって来たからだ。人間、最後はアナログだよ。